《COPDのこと》
最近良く聞く医療用語にCOPDと言うのがあります。
このCOPDは簡単に言うと特にに喫煙により肺に慢性炎症が生じ、これにより、肺胞の破壊や気管支粘液腺の肥大が起き、その結果息切れを生じたり、咳や痰が増加する病気を言います。
以前肺気腫と呼ばれていた病気と慢性気管支炎と呼ばれていた病気は、それぞれが合併することが多く、この二つによる閉塞性肺疾患を合わせてCOPDと呼ぶようになりました。
厚生労働省の統計によると、2005年に14,416人(全死亡数の1.3%)がCOPDにより死亡し、死亡原因全体の10位といわれ、男性に限ると7位を占めると言われています。
この疾患は特に現在タバコを継続的に吸っていなくても、過去に一定期間吸っていた事でも起こると言われています。
《加圧トレーニングとCOPD》
さて本題ですが、最近私の加圧トレーニング施設でもこのCOPDが疑える男性の利用者の方が複数名おいでになります。
何故そんなことが言えるのかと言うと、加圧トレーニングを一定期間継続してもトレーニング中の息切れが直らないことなどからその症状が疑えるのです。
喘息にも運動誘発性喘息といわれるものがありますが、ひどい場合このCOPDは階段を数段上がっただけでも息切れがするようで、加圧トレーニングで特に有酸素系の運動をしていなくても、たとえば腹筋運動などでも息切れを起こして運動が続けられなくなるようなケースです。
このような場合、息切れの割には心拍数は極端に上がっていない場合が多いようです。
当然当施設ではこのような利用者の方には病院の呼吸器内科の受診をお勧めしています。
しかしこの疾患に関しては絶対にタバコを辞めない限り悪化の一途をたどる訳ですから、最終的に「どうしたらタバコを辞められるのか」と言う話になってきます。
私自身は現在タバコを吸わないので、禁煙で苦しんだ記憶がありません。
しかし今習慣的にタバコを吸っている人が理由の如何を問わず、簡単にタバコを辞められるとも思えません。
加圧トレーニングに限らず、COPDなるまでならタバコを吸っていても激しいスポーツができるという人は沢山います。
年齢によるものか、それとも今までタバコを吸ってきた量によるものなのかは判りませんが、やはり継続してトレーニングを快適に続けようとするのならタバコは辞めると言う選択をせざるを得ないように思います。
そういえば加圧トレーニングの指導者が集まる場所で、堂々とタバコを吸っている古い指導者を見かける事があります。
日本加圧トレーニング学会としては禁煙を宣言しているくらいですから、やはり指導者の自覚としてタバコは辞めていただきたいと思います。
もしどうしても吸いたいのなら、トイレで隠れて吸って欲しいものです。
冗談はさておき、最近は喫煙者が肩身の狭い思いをするようになって来たと言うのに、世相に逆らって女性の喫煙者が増えています。
恐らく加圧トレーニング愛好者の女性の中にも、少なからず喫煙者が潜在しているのかも知れませんが、もしCOPDの症状に該当するような症状が現れたら、病院を受診した上で思い切って禁煙にチャレンジするべきだと思います。