《加圧によるインナーマッスルトレーニング法》
総会2日目の一般研究発表最後のグループのトップが私の発表です。
今回の新しい研究発表の内容だけでしたら例年と変わらないボリュームなのでなんら問題は無いのですが、自分の中では一昨年、
昨年そして本年の3回全体で加圧トレーニングによるインナーマッスルトレーニング法をまとめたいと考えていましたので、
最初からデータを見直す作業を始めました。
当然それらの見直した結果についても発表する必要があるので、3回分の研究発表を1回でやってしまわなければならない事になりました。
もちろん1回分の発表時間は8分と限られていますから大変です、実はこの事が私の中で大きなプレッシャーになっていたのです。
学会に来られている方の大半が、私の今までの発表内容については知らない人ばかりです。
そう言う方々にも、なんとかここに至る今までの経緯を知って欲しいと言う強い思いがありました。
もちろん何度か発表のシュミレーションもしましたが、発表内容の全体を説明すると15分程度の時間がかかります。
これでは全く話になりません。
そこで過去の内容に関しては、要点だけに絞りできるだけ視覚的な図などを見てもらいながら説明すると言う事にして時間を短縮していきました。
本番ではなんとか時間内ギリギリに発表を終える事が出来ました。
質疑応答の時間が4分間あるのですが、今年も質問はお一人だけでした。
私の今回の発表の要旨は高校野球の投手を使った実験で、1群は一定の圧力と一定の負荷でトレーニングをし、 もう1群は段階的に圧力を上げながら負荷を下げると言う手法で、 トレーニングの後でそれぞれの群でコントロールがどの様に変化するかを見たものです。
結果としては同じ圧と同じ負荷で加圧トレーニングするよりは、段階的に負荷を変えたほうがコントロール率が上昇すると言うものです。
また一定圧と一定負荷の場合は8名中5名のストライク数が低下しましたが、
段階的な変更の場合はストライクが低下した者が8名中2名に留まりました。
一般的に投球のコントロールは肩のインナーマッスルの影響を受けると言われていますので、これらの研究結果からは、
加圧トレーニングを用いてインナーマッスルのトレーニングを行う際は、
アウターマッスルとは異なり圧と負荷のバランスをよりシビアに調整する必要がある事が説明されます。
また従来のインナーマッスルトレーニングといえば、 チューブやラバーを用いて個々のインナーマッスルをトレーニングすると言うインナリングが主流でしたが、 この方法を使えば加圧をかけてキャッチボールをするだけで投球フォームを崩すことなくインナーマッスルのトレーニングが行える事が可能となります。
私としてはプロ、アマを問わずこのトレーニング法が普及すれば良いと思っているのですが、それはなかなか難しいようです。