2008年03月17日

加圧トレーニングと水分補給

《脱水症状の事》

加圧トレーニングがその強度によって、体内の水分と糖分を消耗する事は知られています。
私の施設でもトレーニング中に脱水症状を起こす方がまれにおられますし、 また私自身もトレーニング中に突然ノドが乾く事を体験する事があります。
従ってトレーニングをされる方の日常的な水分量を把握する事は、加圧でパーソナルトレーニングを行う上において非常に重要なことなのです。
最近は体組成の計測が比較的簡単に出来るようになったので、 トレーニングをされる方が日常的に充分な水分補給をされているかどうかを知る事は、加圧トレーニングを行う場合に重要な指標となります。

ところでこれからの季節、屋外競技などのコンディショニングに加圧トレーニングを用いる場合は、 とても水分補給に気を使わなければなりません。

先日もクロスカントリー大会の選手に帯同した時の事です。
出場する距離は短いものであり、朝会場についた時点で気温も低く、多くの水分を取りすぎるとスタート直前にトイレに行きたくなると困るので、 選手が欲しがらなかったこともあって、ことさらに多くの水分を取る事もなく、 いつもより特に念入りに加圧を使ったコンディショニングを行いました。
ところがスタート頃には随分と気温があがり、真冬のレースとは違ってポカポカとよい感じになってきたのです。

そしてレースが始まったのですが、クラスは違いますが2名の選手の様子がおかしいのです。
結果は惨憺たるもので、一人は上位入賞間違いなしと思っていたのですが、なんと自己最低の記録と順位になってしまいました。

もちろんもう1名の選手も同様で、2月の試合でかなり成績を上げてきていたので、 今回の試合にはかなりの向上を期待していたのでしたが、結果は前回を遥かに下回る成績でした。

もちろん敗因は言うまでも無く、脱水症状≠ナす。
二人ともいままで幸いひどい脱水症状の体験がありませんでしたが、今回は特別で一人は体が思うように動かなかったと言うし、 もう一人は途中意識がなかったと言っていました。

急に気温が上昇した事は他の選手にも影響を与えていたようで、 明らかに脱水症状と見られる症状で救急車に運ばれていった選手もいましたが、 今回のこちらの選手の敗因は加圧トレーニングによる水分の消耗と急激な温度上昇を読みきれなかった事にあります。

フルマラソンなら早めに、かつ頻繁に水分を摂る事でかなりカバーできるかも知れませんが、 3キロや5キロと言った距離では途中で水分を補給する事は難しいですから、結局スタート時点の体内の水分量、 それも細胞内の水分量が適正であるかどうかを常に考えておかなければならない、と言う大きな教訓になりました。

今年の正月の箱根駅伝で、ゴールを目前にして脱水症状で倒れた選手の姿をテレビで見られた方も多いと思いますが、 冬場でも気温の上昇が選手の水分を予想以上に奪います。
夏のレースでもここまでの脱水症状は、私も選手達も経験がなかったのですから悔しい反面、貴重な体験であったとも思っています。

私は野球以外にも陸上競技の選手も見ていますが、特に陸上競技では下半身を主体としたコンディショニングを行う関係上、 この時期レースの直前にどこまで水分が消耗されているかを見極める事は加圧をやっていない時以上に重要である事を思い知った体験でした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

posted by kaatsu-master at 11:42| 大阪 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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